年末調整がスタートしてまだ2日程度なんですが、やはり「基礎控除申告書」でざわざわしてます。
[手続名]給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除及び所得金額調整控除の申告|国税庁
今日はこの「基礎控除申告書」についてお話しをします。
まず、「年末調整」「基礎控除」のお話しを。
年末調整の目的を一言でいうと、給与収入からあれこれ調整して、最終的な所得税を求めることです。
めんどく(*´Д`)一律で良いじゃん?
何かと複雑怪奇な税制ですから、給与収入×30%!みたいな感じにするとシンプルですし簡単です。
ただ、この方法を採用すると不平等感が増すことになります。
Aさん Bさん ともに年収300万として税率一律30%とすると納める税金は90万円。
一見平等そうですが、例えばAさんは独身。
Bさんはご両親を扶養していたり保険に入ってたりするため、残額の210万円での生活は苦しい…。
となる感じです。
そこで、日本の税制では給与収入から色々な控除を差し引きます。
その残りを「課税対象額」としてそれに5%~40%の税率を掛け合わせて最終的な所得税を計算するという流れです。
<イメージ>
で、昨年までは「基礎控除(38万円)」は給与所得者に全員適用されたのですが、今年からはルールを満たした人に適用するとなったのです。
何故か?
私なりの捉え方ですが、高所得者であるほど減税が大きいからなのです。
「え?控除38万円なら、変わらないでしょ?」
ここが年末調整・税制を複雑にしているところだと思うのですが、控除は課税対象額が控除されているだけであって、直接的に所得税が38万円が一律で減額されているわけではないんです。
じゃ、具体的に所得税はどれくらい減額されているのか?
凄くシンプルな公式でいうと…
控除額 × 税率 です。
つまり
5% × 38万円 = 1.9万円減税
40% × 38万円 = 15.2万円減税
凄く平たく言うと、高所得者の方が4倍も減税されているのです。
仮に、扶養親族が3人いた場合、高所得者はトータルで60万円も減税になっているということとなります。
これにメスを入れるため、基礎控除申告書が導入されたのかな?というのが私の当初の考えです。
ただ、これは少し違うな…というか浅いし本質ではないんでないか?というのがミステリー好きの私の考えになってきています(笑)
現状、私が考える本質的な理由は2つ。
①副業収入の顕在化
今年から基礎控除を受けるためには、全ての所得・収入の申告を会社にする必要があります。
では、例えば税務署・会社にも知られたくな未申告の収入があったらそれを申告するか?というとたぶんしないでしょう。
(現実的には考えにくいのですが…)税務署がビッグデータを超活用できるとして、基礎控除申告が無い人をピックアップ。
表向きは給与収入のみで条件をクリアしてるのになんでしないんだろう?となれば、隠れ所得への足掛かりにはなるのかな?なんて思うんですよね。
②ステルス増税
コチラの方はより現実的な意見です。
今年から基礎控除申告を受けるためには、申告書に記載し提出する必要があります。
では、未提出・未記入の場合はどうなるか?
当然ながら、基礎控除・最低でも2.4万円(基礎控除48万円×5%)程度は多く税金を払う必要があります。
そう、いつの間にか多くの税金を支払うことに繋がるのです。
いや、大袈裟な…(*´Д`)
と思われるかもしれませんが、会社・担当者レベルによりけりでしょうが、良く分からないとかの理由で、基礎控除申告書をがっつり未記入で提出された場合、『未申告』と受け取る可能性は大いにあると思うんですよね?
少なくとも、私の手元に提出のあった基礎控除申告書は今のところ全部未記入です。
私自身は本人の申告に基づき処理するスタンスなので、基礎控除は除外する予定です。さすがに未申告のものを勝手に解釈して万が一があったら責任問題になりかねませんからね。
いやいや、会社としてフォローしろよ!って話しもでてきそうでしょうがそれは物理的にも無理なお話しです。
仮に「基礎控除申告書は未記入で大丈夫?」と聞けば、平等性を確保するために全員に聞かないといけません…。
とはいえ、このまま放置は負け戦?っぽいので、何か考える必要はあるなという認識はありますので…どうにかします。
さて、長くなりましたが私の苦悩・妄想を書いて少々すっきりしました(笑)
また、進展等ありましたらお知らせしまーす♪