大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

時給1,024円の壁

こんにちわ♪大福です。

 

今日は年金のお話しを。

私はファイナンシャルプランナー(AFP)としてFP協会の会員です。

(年会費の支払いはありますが)

毎月、会報誌が届くのですが5月の特集は「年金制度改正、変わる働き方を受けて」でした。

 

年金制度については、特に扶養内で勤務している主婦・主夫の方が健康保険・厚生年金へ強制加入となるケースが増えることが見込まれています。

そのため

①配偶者の扶養に入り続けるか?(健康保険料・年金ともに0円)

②勤めている会社の健康保険・厚生年金に加入するか?(各保険料が有料)

の二択、どっちが良いのか?

ということを考えなければいけなくなります。

 

大原則として、選択ではなく強制のため①をチョイスするなら働く時間を減らすなどの対応が必要です。

②の場合、少なくとも保険料は13%程度となるため手取りが減る…ということになる。

いずれにせよ、現状で毎月90,000円以上の収入がある方はどうなるのか?考えていく必要があります。

 

ちなみに私は②派です。

やはり、将来受け取る年金が増える、傷病手当金・出産手当金などが受け取れるなどのメリットがあるからです。

確かに手元の収入が減るのは痛いのですが、手厚い保障をいざという時に受けられるのは大きいと考えられるからです。

 

さて、ここまではFPや社労士がブログなどで書いていることなのですが…

私自身は二つの懸念・疑問が残っています。

 

一つ目は「社会保障地域格差」です。

一言でいうと、都市部は社会保険の加入者は増えるだろうけど、地方部は?どうなんだろう?という懸念・疑問です。

社会保険への強制加入となるのは週の労働時間20時間月給8.8万円です。

最低時給の最高額は東京の1,013円で、週20:30(×4.3週)の労働契約が目安ラインとなります。

では、最低額の場合は…?

沖縄など7県が792円で、週26:00(×4.3週)の労働契約が目安ラインとなります。

 

そう単純なもんでもないんでしょうが…

社会保障が都市部が手厚く、地方部が薄くね?」

と感じてしまうんですよね('ω')

例えば同じ22時間働いている人がいて、東京の人は健保の出産手当金があるけど、沖縄の人は国保なので出産手当金は無いという状況です。

 

かと言って、最低賃金に連動させて加入ラインを上げ下げするか?

というのも複雑怪奇で難しいよな…。

とは思うんですが、現役時の社会保障に差が生じ、将来の年金の受給額に地域差が生じかねないというのは少し気持ち悪さを感じます。

 

二つ目は「時給1,024円の壁」です。

私としてはこちらが大きな懸念です。

東京の最低時給は1,013円です。

仮に週20時間(×4.3週)働くとしたら、雇用保険は加入・社会保険は未加入となるケースがあります。

そして時給が1,024円となり、同じく週20時間(×4.3週)となるとどうなるか?

この場合は雇用保険社会保険ともに強制加入となります。

 

雇用保険だけ加入している」状況というのは実は結構いい感じなんです。

保険料は毎月の給与の0.3%程度。それで失業手当や育児・介護休業給付金を受給できる可能性があるのですからコスパは抜群です。

例えば毎月80,000円の給与の場合、雇用保険料は240円・年で2,880円です。

では1年以上勤務して失業手当がどれだけ受け取れるか?というと約19万円(90日分)です。

ね?保険原理を無視したような破格っぷりでしょ(笑)?

しかし、社会保険へ強制加入となったら保険料は13-15%までに跳ね上がります。

 

政府は経済活性化などを理由に最低賃金をさらに押し上げようとしていますが、それにより社会保険料が発生し、可処分所得(手取り)が減り、消費が控えられる。

という所期の目的を達成できない状況を招きかねないんじゃね?というのが持論です。

 

と、まぁあれこれ考えるのですが判断は本当に難しいです。

ただ確実に言えることが一つ。

それは「最終的には自己判断&自己責任」であるということ。

FPとして、労務担当者としてある程度のアドバイスや情報提供はできますが後悔のないより良い選択をできるようにある程度で良いので年金のことなどを学習して頂ければなと思います。