大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

高年齢雇用継続給付の謎。誰か教えて下さい(笑)

皆さん、こんばんは♪大福でございます。

 

今日、数年ぶりに「高年齢雇用継続給付給付金」の初回申請に行ってきました。

 

いやいや…以前は年数回申請に行っていたのに、あれこれ忘れてるもんですね?

久しぶりに自転車に乗った感覚に似てます。

 

さて、労務の担当者として労働保険・社会保険、他色々な制度を知ってご案内をしますが、いくつか大切にしていることがあります。

 

その中の一つが、制度の趣旨・背景、理念です。

 

ただ、稀に本来の趣旨とずれるというか、言いようのない気持ち悪い制度があります。

そして、それはスタッフへの説明にも活かされますが、自分的にスッキリ理解できない制度は当然にスッキリ・ハッキリ説明できません。

 

その一つが『高年齢雇用継続給付』です。

 

まず、その制度の趣旨をざっくりと。

一昔前までの定年と言えば60才。

ただ、昭和63年の年金法の大改正に伴い各年金の支給開始年齢が段階的に65才となりました。

よって、60才定年となった場合に65才まで無収入となる事態が起こります。

よって、企業へ定年延長の努力義務を課すことになり、近々その年齢は65才から70才へ引き上げが予定されています。

 

ただ、ここで問題が起こります。

それは定年・再雇用に伴う、給与の改定・減給です。

各統計を見ると、概ね現役時代の50-40%位が減給の目安です。

 

いや、そんなに減るなら働く意味も無いよな…

と思う人もいるよね?

 

ということで誕生したのが、『高年齢雇用継続給付』です。

「給与が減るんですか?なら、国(ハローワーク)からサポートしまっせ!」

という感じです。

 

で、何が気持ち悪いのか?

それは、改定・減額を補ってねーじゃん?

というところなんですね。

 

具体的に金額でお話しします。

 

現役:50万円

 

この時、定年退職後に受け取る給与が25%以上減らないと給付金は支給されません。

この場合で言うと、375,000円未満となると給付金が支給されます。

で、そこから少しずつ支給が始まり、(理論上の)支給額のピークは定年退職後の受け取る給与が305,000円となった時で、その支給額は45,750円となります。

 

では、ここで問題です。

定年退職後の給与が現役時代の半分、25万円となった時の給付金はいくらになるでしょうか?

答えは35,000円です。

 

ね?変でしょ?

 

定年退職後の給与支給額が減り、それを補う趣旨?なのに給与が減れば減るほど、給付金も減るんです。

減額が少ない程、給付金が多いのです…。

 

並べて俯瞰するともう少し分かりやすいかな?

現役:50万円

定年退職後:

給与30万円 + 給付金4.5万円 = 総額34.5万円

給与20万円 + 給付金3.0万円 = 総額23.0万円

給与10万円 + 給付金1.5万円 = 総額11.5万円

 

この原因はやはり、定年退職後の給与×15%という謎の計算式にあると考えています。

なんで、現役時からの減額分×15%にしなかったのかな?というのが私の考えなんですよね。

それなら…

現役:50万円

定年退職後:

給与30万円 + 給付金3.0万円 = 総額33.0万円

給与20万円 + 給付金4.5万円 = 総額24.5万円

給与10万円 + 給付金6.0万円 = 総額16.0万円

 

と、補ってるぽいでしょ(*'▽')?

 

 

とはいえ段階的に廃止の方向へ向かっていますので、もやもやしたまま終焉に向かいそうです。

 

逆に、うまく説明できる方いたらぜひ教えて下さい!