こんばんわ♪大福です。
春めいてきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
花粉症も…少しは落ち着いてきましたか?
私は多めの退職者と他部署への応援へ駆り出さりと地味に忙しいです( ゚Д゚)
というわけでもないのですが、今週は長めになっちまったということもありタイトルのTOKYO BASEさんの一件のみお話ししたいと思います!
さて、トレンドに上がっていたので、お話ししたいと思います。
発端は、初任給をこれまでの30万円から10万円昇給し40万円とするものでした。
まぁ…ここまで良かったのですがよくよく見ると…
発端は求人に「固定残業代/月172,000円/80時間分」の記載があったこと。
労働基準法では月45時間以上の残業が禁止されています。
そして80時間以上というのは労災の過労死ラインにあたります。
これらの観点からブラック企業じゃね?とざわざわしました。
これらのリアクションについて、CEOが「残業は平均10時間程度で仮に45時間超えたら始末書書かせてます!」的な感じでコメント。
それでさらにざつくという状態になっています。
皆さんはどんな印象や感想を持ちましたか?
私が率直に思ったのは、「上場企業らしくないな…」でした。
CEOが直接発言するの控え、広報などから整理して説明をするってのが基本じゃないかな?ということです。
それと同じくらいですが、社内に勤務社労士あるいはそれクラスの知見を持っている人はいない。あるいは居ても意見が言えないとかそんな感じなんかな?と感じました。
というのも、社労士クラスの人で固定残業に関する判例などに一度でも触れたことがある人なら、固定残業制度は避けたいと思うからです。
残業ゼロ分でも定額を支払われるなどの従業員側からのメリットがあるにしても制度上カチッとしてないとデメリットが大きいんですよね。
デメリット・問題点としては金額が明示されその計算根拠が明示されていることです。
今回のケースをざっと計算してみます。
172,000円/80時間
から逆算して時給を求めると…1,720円かな?
で、基本給が203,000円とるので、時給1,720円で割ると…月の労働時間は118時間になります。
求人を見ると年間休日117日とあるので月の平均労働日数は…20.6日。1日の労働時間は8時間。つまり月165時間労働なので矛盾が生じます。
逆に基本給203,000円を165時間で割ると時給は1,220円となり、固定残業代から逆算した時給1,720円とも矛盾が生じます。
もちろん、表面的な数字だけだと正確な答えに行きつくことは難しいのですが…少なくとも私なら求人に計算根拠は明示します。
それにより、少なくとも制度設計はきちんと考慮されていますよということの意思表示はできるように思います。
では、前向きにどういった固定残業・みなし残業制度が理想なのか?を考えてみたのですが、一つシンプルな手段があります。
それは『5時間分の残業を無条件につける』というものです。
(もちろん5時間を超える分については支給します。)
これだと固定給・諸手当の変動が生じたとしても、それに比例して残業代は計算され計算根拠はシンプルです。
また、従業員目線としても明確でわかりやすい。
さらに…地味な最大の利点なんですが端数時間分の未払い対応ができます。
例えば終業17時として17:13に業務終了、会社の規定では15分単位でしか残業代は支給しません。となるとこの13分が残業とすると未払い給与となります。
こういうのが1か月…仮に20日分とすると260分・4時間20分が未払い分となります。
5時間支給すれば、これらへの課題解決になるんじゃないかな?と考えます。
次に…残業し過ぎたら始末書問題です。
これは残念ながら、論外というか前時代的としか言いようがないです。
残業の主体・コントロールは従業員ではなく、会社であるべきだからです。
端的に言えば、残業は会社が指示命令・お願いするものということです。
この視点で言えば、会社が指示命令した残業に対して「なぜ残業したんだ!」と言われれば「いや、会社が指示命令したんだから…」となりわけわからなくなります(笑)
残業は仕事ができない・終わらない従業員の責任!的な意見をお持ちの方もいますが、それは阿保の意見です。
仕事ができない・終わらないのはなぜか?会社の仕組み?業務量?あるいは個人の問題か?その根っこの部分を解決するのは会社の責任だからです。
仮に過労死して「それは旦那の責任ですよ?」と遺族に説明して「そうですね。」とはならない理屈です。
あくまでも残業の発生は会社が判断し従業員に指示命令するというフローを築くのが基本で、勝手に残業する従業員には厳罰を持って対処すべきだと考えています。
ていう感じのことを社内で議論・検討はしていなかったのかな…。
なんてニュースを見ながらふと考えてしまいました。