大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

30年後の給与の手取り額を考えてみる

【本日のお話し】

「あと30年以上働くとしたら、どんな仕事がいいでしょう?」 - 大福 blog

前回の記事の続きっぽいものを書きます。

 

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30年後の給与計算、より具体的には社会保険料の控除額、それに伴う手取り額はどうなるんだろう…?

今、政府等で議論・検討されているものをベースに考えてみました。

 

まず、イメージ図から。(25才・男性・独身)

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まず、2020年の社会保険料ですが概ね15%程度です。

2050年、というよりほぼほぼ10年以内くらいの未来予想図です(笑)

 

見込まれる大きな変化点は2つです。

①全年齢から『介護保険料』の徴収

 (現在は40才~)

②『こども保険』の創設

 

介護保険についてはさらっと決まりそうな気がします。

 

②については議論が開始され、厚生年金のプラスアルファで導入が検討されています。

…?厚生年金保険料は上がらないの?という声が聞こえてきそうですが上がりません。

実は15年程前に、年金の財源に必要なだけ保険料を徴収する「給付水準方式」から、いやいやこれ以上保険料を上げるのはもう無理っしょ?保険料を固定してその中でやりくりようぜ?という趣旨から「保険料給付水準方式」になっています。

ただ、この「こども保険」は賛否両論が多いです。

例えば、保険なのにリターンが無いとかです(笑)例えば70才の会社員が「こども保険」を納めていて、そのリターンは…?同じくLGBTなどお子様に恵まれなかった人たちのリターンは?

なので、「保険」ではなく「税」として導入される可能性もあるのかな…?と。

 

いずれにせよ、あれこれ加わり現在の保険料より5%程度は確実に増えると考えています。

そして、個人として一番懸念しているのは「どこまで社会保険料等を上げるのか?」ということです。

上のイメージ図では社会保険料所得税のみですが、これに住民税5%程度が加わります。

消費税アップに比べ気付きにくいであろう社会保険料の増額でも、さすがに上げすぎると経済へのダメージが大きくなりますからね…。

 

仮に社会保険料25%・住民税5%、手取り70%とすると、給与20万の場合手取りは14万円です。

時間軸で考えると1年間のうち3.5ヶ月位は社会保険料等のために働くことになり、これは四季のうち一季にあたるため、個人的には非常に悲しいです(笑)

 

さて、ここまではいわゆる無期雇用・正社員のお話しです。

次にいわゆるパート・アルバイトなど有期雇用・短時間労働者のお話しをします。

 

実はこの点については、年金制度一元化並みに大転換点を迎えると考えています。

 

2024年~ 

◎51人以上の企業

①月収8.8万円以上 ②週20時間以上勤務 ③学生ではない ④1

年以上勤務予定…など

このルールが無くなるということです。

会社に勤めたら、例外なく厚生年金・健康保険の加入が義務付けられる

というものです。

 

以前から議論はされていたのですが、中小企業の負担が大きいという事で退けられていましたが、結構えげつない戦法が考えられています。

それは、基礎年金部分は従業員本人が負担するというものです。

現状、厚生年金保険料の下限額は約16,000円。会社・従業員が8,000円ずつ負担します

が、新プランでは従業員12,000円(基礎年金相当)会社2,000円・従業員2,000円(厚生年金相当)という感じで折半にはしないというものです。

 

私もうまいこと考えるなぁ~と感心してたのですが、本丸・本当の狙いはここではないのではないな?と思いました。

つまり『第三号被保険者の減殺・縮小』です。

 

第三号被保険者は配偶者の扶養に入り、無料で健康保険・国民年金に加入できる制度です。

よって、上記のような制度になった場合、第三号被保険者のルールは必然的に無職であるという事が条件になります。

 

…久しぶりに書いたら、1,500文字を超えていたので今日はここまでにします。

 

【まとめ】

…いやはや、こういった意味でも30年後の給与計算をしているときに

「昔は、配偶者は無料で健康保険・国民年金に加入できてたんだよ?」

「マジっすか?!伝説の第三号被保険者ってやつですか?」

なんて会話があったりするんでしょうね(*´ω`*)