大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

ありゃりゃ…

【本日のお話し】

ロイヤルリムジン、全乗務員一時解雇し失業保険勧める→労働局「受給資格を満たさず」

 

「一時解雇し、失業手当で所得を補償する。再雇用を約束する。」

先週、そんなニュースがありました。

 

私の印象としては

「労働局とか厚労省の合意をとったんかな?すげーな…」

というもの。

ところがというか、やはりというか、ね?

ありゃりゃな展開です。

 

本日のお話しはこの話題を。

 

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「労働局とか厚労省の合意をとったんかな?すげーな…」

 と、思った理由は大原則として「一時解雇」の場合、失業手当は受給できないからです。

 

失業手当を受給するためには、色々ルールがあるのですが

・雇用関係が完全に終了すること

・求職活動をしても仕事が見つからないこと

のルールがあります。

今回の場合は、どちらのルールも満たしていません。

 

ただ、原則は原則。

過去『特例的』に失業手当がOKな時がありました。

それは「03.11震災の特例」です。

この時は、休業・一時解雇でも失業手当が給付されていました。

 

通常時ではありえないことなので、なんやかんやでそうなったんかなぁ…

でも、そんなパブリックコメントあったけ?

まさか、会社の独断?まさかそんな軽々な発言はしないっしょ?

 

なんて割とのんきに構えていたんですけど、笑えない事態になりましたね…。

 

恐らくですが、雇用調整助成金の受給が背景にあると思います。

雇用調整助成金は雇用の維持が目的のため、一時解雇を認めると「維持?解雇?どっち?」ってなるってのがあると推察しています。

 

また、これが大きいと思うのですが、一時解雇を認めると不正受給の温床になる可能性があります。

例えば、600人を解雇。失業手当を一人100万円受給できたとします。

つまり、総額で6憶円ですね?この10%をもといた会社にキックバックする…

なんてことも理論上は可能です。

もちろん、厳し~~~い罰則もありますので同じことを考えている方は絶対NGです!

 

とはいえね。

個人的には受給を認めれば?というのが私の考えです。

 

3月期の日銀短観・業績判断指数(DI)を見ると、3.11震災とリーマンショックが同時にやって来たんじゃないか?と不安になる位の結果です。

 

また、雇用保険には積立金が約6兆円あります。

仮に120万円/1人程度受給しても、500万人分をカバーできる金額です。

日本の失業者は約150万人。

つまり、仮に失業者数が倍になったとしても、余力があるだけの資金があります。

 

今使わないでどうする?

って、素直に思います。

 

【まとめ】

そして、少し厳しめの意見で言うと一般の方・労働者、使用者の金融リテラシーの低さを露呈した様にも思います。

結局のところ、自分の身を守るのは自分です。

少なくともFP・社労士に相談できるよう普段から備えが大切です。