おはようございます。
この時期になると、毎年のように思い出すことがあります。
とある問い合わせ
「初任給は同じと聞いていて、残業もないのに手取りが違います。」
調べてみると、社会保険料の差異でした。
社会保険関係の仕事をしてしていて、ずっと釈然としない疑問。
それは「交通費も報酬」という捉え方。
税法上は非課税枠があり、「交通費は報酬ではない」とされています。
具体的な事例で考えてみます。
新卒の…
Aさん 初任給 200,000円 交通費 150,000円
Bさん 初任給 200,000円 交通費 0円
この条件で給与を計算すると…
初任給 | 交通費 | 厚生年金 | 健康保険 | 雇用保険 | 所得税 | 控除額 | 振込額 | 可処分所得 | |
Aさん | 200,000 | 0 | 18,300 | 9,900 | 600 | 3,770 | 32,570 | 167,430 | 167,430 |
Bさん | 200,000 | 150,000 | 32,940 | 17,820 | 1,050 | 8,250 | 60,060 | 289,940 | 139,940 |
要因は社会保険料です。
となり、最終的な手取り額はBさんの方が少ない計算になります。
あまり知られていないのですが、社会保険料を求める時は交通費も給与の一部として組み入れます。
(所得税は一定額まで組み入れません)
±0になるものが報酬?
なぜですか?と従業員から言われてもそういう制度だからとしか答えようがありません。
国会の場でも議論をされているようですが…
「保険料収入が減少するから…」とアホか!と答えにならない答弁がされています。