大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

繰り下げ支給の年齢拡大

www.tokyo-np.co.jp

 

厚労省のワーキンググループで、年金の繰り下げ支給(遅らせて受給する)について、75才からの受給も可能になる案が検討されています。

 

ざっくりの概算(基礎年金のみ)だと…

  増減率 受給額(年) 70 75 80 85 90 95 100 最終差
60才受給 70% 546,070 5,460,700 8,191,050 10,921,400 13,651,750 16,382,100 19,112,450 21,842,800 -5,460,700
65才受給 100% 780,100 3,900,500 7,801,000 11,701,500 15,602,000 19,502,500 23,403,000 27,303,500 0
70才受給 142% 1,107,742 1,107,742 5,538,710 11,077,420 16,616,130 22,154,840 27,693,550 33,232,260 5,928,760
75才受給 184% 1,435,384 0 1,435,384 7,176,920 14,353,840 21,530,760 28,707,680 35,884,600 8,581,100

 

100才まで生きると仮定したら、やはり75才受給にすると65才受給に比べて約860万円の増額。

60才からの受給を選択すると、1,400円もの差額になりますね…。

 

今後、人生100年時代を見据えると強力なオプションになるなという印象です。

 

ただ個人的には反対です。

まず、これは現行の780,100円を前提にしていること。

受給額を仮に50万円程度まで引きげるという話になると、75才受給開始にしないと現在の65才受給と変わらないことになります。

支給額引き下げ・受給開始繰り下げでは、体のいい年金制度の改悪かなと思います。

 

もう一つは選択肢への疑問です。

現在、501人以上・8.8万円以上(月額)等の人は厚生年金の加入が義務付けられています。

この8.8万円の基準を5万円程度まで下げることが一案として挙げられています。

仮に月額5万円の10%を徴収すると、年収60万・社会保険料6万円となり、可処分所得は54万円。

こじつけ的な考えだと、低所得者高所得者を支えるカタチになります。

 

この選択・方法は何への投資で、どういう未来を描いているのか?

その辺が私にはいまいち見えてこないのです。