大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

特定保険料のお話し

[社説]75歳以上の窓口2割負担、範囲を極力広く :日本経済新聞

 

おはようございます。

後期高齢者の医療費負担の議論が本格化しています。

 

いわゆる団塊の世代が75才になり、医療費が急速に悪化すると見込まれています。

現状の医療費が約39兆円。2022年に48.8兆円。2025年に52.2兆円となる試算されています。

「2022年問題」に対策 団塊世代の後期高齢者入りに備えて健保組合が活動を強化 | ニュース | 保健指導リソースガイド

 

そりゃ、そうだ。

ここは申し訳ないけど、現状の1割負担から2割負担にするのは当然っしょ?

というのが一般的な目線かな?と思います。

この議論次第では現役世代の健康保険料が増額する、もっとダイレクトに言えば手取りの給与が減る可能性があります。

 

えっ( ゚Д゚)

 

後期高齢者医療制度の財源は半分が国費(消費税など)、本人負担が1割。

そして残り4割が現役世代からの支援金です。

 

し、支援金???

いや払っている感じないんですけど?

という声が聞こえてきそうですが、お勤めの人は毎月ひかれてますよ?給与から。

 

そう、それが「特定保険料」です。

一般的な給与明細では『健康保険料』として控除されていますが、大きく二つに分かれます。

健康保険料(9.87%) = 一般保険料率(3.43%) + 特定保険料率(6.44%) 

東京都の場合。

 

この半分ずつを会社と自分で半分ずつで負担しています。

もっと、シンプルに言うと「健康保険料の1/3は後期高齢者の医療費の財源」になっているということになります。

 

そして、後期高齢者の窓口負担を1割から2割負担をした場合の、現役世代の軽減効果の試算結果が公表されました。

現役世代の負担1.4兆円増 25年度の高齢者医療費 厚労省試算 - 毎日新聞

 

厚労省の資料を見ると…このまましないと、現状と比較して、2025年には約1.6万円の保険料増加?となっていますね…。

f:id:hiro-fukudome:20201201053646p:plain


で、この議論というのはず~っとされています。

がしかし、見送りがされています。

 

その要因は色々と言われていますが、大きな要因に選挙があると言われています。

来年、衆院の解散選挙が見込まれているので今回も見送りになる公算が高いという人がいます。

 

ただ、こんな短期的な視点で良いのか?というのが私個人の考えです。

 

保険料を増加させるのは簡単な方法だし、給与から引かれている実感もありませんからね。

じゃ、給与の手取りが徐々に目減りしていけばどうなるか?

消費は抑制され、ひいては結婚への意欲も低下し、出生率は減少するという悪循環に陥るんじゃね?とどうしても思ってしまうんです。

 

それよりもこの団塊世代の大きな波はもう一波きます。

そう、第二次ベビーブームの世代です。

今回の段階世代ほどではないにせよ、インパクトとしては大きい。

 

なので、今回の議論は大きな分岐点になるでしょう。

今後、続報に要注意です!