大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

オンライン選挙・投票

こんにちわ♪ 大福です。

 

今週は…あっという間というかギュッとしてました。

週初めから、メンタル不調に関する相談が3件(笑)

他、 退職後の健康保険の相談など。

 

その中でも、印象的だったのは「不在者投票」です。

 

明日7月4日(日)は東京都議会議員選挙です。

あまり知られていないかと思いますが、入院中の患者様は病院内で投票することができます。

 

具体的には患者様から申し出を受け、自治体の選挙管理委員会へ請求。

後日、投票用紙が届きます。

それを記入頂き、選挙管理委員会へ提出。

 

といった流れです。

今回は10名弱の患者様からの依頼を頂き対応しました。

その過程で思ったことはタブレットなどを利用した『オンライン投票』はできないものかな…」です。

 

理由としてはいくつかあります。

 

まず一つ目は患者様の負担です。

例えば字を書くことができない方は多いです。

脳梗塞などで手が不自由な方の記入は私たちが思う以上の負担に思えました。

また、公報などは字が小さく読めない…などのお声もありました。

 

次に事務方の負担です。

患者様が投票するためには、投票権の請求が必要です。

近場であれば直で行くことも可能なんですが、遠方の場合は郵送で請求します。

不在者投票は7/3(土)まで可能ですが、請求~投票すべて郵送での対応となると5営業日程度の時間がかかります。

では、不在者投票の最終日7/3(土)に入院してる方が「投票したい!」と仰った場合はどうなるか?原則としてはお断りすることができません。

投票の権利を侵害しかねないので、対応せざるを得ません。

対応は大きく2つ。①ご本人が投票所へ行く。②事務方で対応するです。

コロナ禍で①の外出対応は正直難しいです。恐らく医師も認めない可能性があります。

 

となると②なのですが、この場合はその方の名簿登録されている選挙管理委員会へ行き投票権を取得。病院にて投票。再度、選挙管理委員会へ投票用紙を持っていく。という対応となります。

近隣の市区町村であればもちろん対応は容易ですが、では1往復3時間かかるような場合はどうなるか?となると、まさに一日がかりです。

さらに遠いとなると、物理的に不可能となる可能性もあります。

大袈裟な…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は前回のとある選挙の不在者投票の期限前日に「投票をしたい」と仰られた方がいました。

前日のために対応ができない旨をお伝えしたところ選挙管理委員会から電話が…

「ご家族様から投票はできないと断られた、とお電話がありました。事実ですか?」との内容。

結果としては、その日は選挙の対応のみとなりました。

 

最後に認知症です。

今回、一番印象深かったできごとです。

 

投票用紙をもって病室へお伺い。

「○○さん、先日「不在者投票を希望」してたので投票用紙などをお持ちしました。」

と声をかけたところ

『私はそんなことは頼んでもいないし、覚えもない。なに勝手なことをしてるの?!』

と結構な勢いでお叱りを受けました。

「こちらの請求書にお名前、生年月日、住所を○○さんに書いて頂いて請求しました。ご記憶はありませんか?」と確認をしたのですが…

『名前と筆跡は私のだけど、生年月日と住所は何?私、こんなところに住んでない!?偽造でもしてるの?』

「そういったこと無いように請求書の記入は二人以上で立ち会ってます。また、請求書に記載された内容が誤りであれば、投票用紙を届きません。」

てな感じになったので、投票を希望しない旨を確認して撤収することにしました。

 

そして2時間後…。

 

「大福さん、先ほどの○○さんなんですけど。。。『いつになっても選挙の投票はできるの?』って言ってるんですけど、対応できますか?」との電話が。。。

 

結果としては無事に対応を完了て良かったのですが、状況によっては「不正請求」と処断されたらやばかったかもしれないな…と思いました。

 

ただ、、、悪意を持てばカルテ情報などを参照し請求し投票用紙を入手・投票することは理屈の上では可能です。(もちろん罰せられます)

(さらに選挙管理委員会では身分証明書などでのチェックは行っていないはずです)

 

なので、請求とかではなく投票したいときに本人が確実に投票できる、そんなシンプルで優しいシステムがあったら良いなと思えました。

色々と克服しないといけない課題はあるんでしょうけど、マイナンバーカードを利用すれば実現可能なんじゃないか?と少し期待をしています。