大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

103万の壁ではない…?

mattunmama.hatenablog.com

 

【本日のお話し】

先日は健康保険の収入について、私の黒歴史を交えてお話をしました。

そして今日は「所得税」の103万円の壁について、お話しをします。

 

 

mattunmamaさんが書かれてるように、所得税の壁は103万円です。

ただし…

これは厳密には違います(笑)

 

「生計を一にする合計所得金額38万円以下の親族」

正確にはこれです。

 

いわゆる103万の壁、というのは「給与所得のみ」だと103万円以内。

という感じです。

 

え?意味わからない?

ですよね。わかりますわかります。

毎年、この辺は年末調整祭のメインディッシュの様なものなんで。

 

一つずつ説明します。

まず、全ての収入に税金はかかりません。

例えば、結婚式のご祝儀やお葬式の弔慰金。

レアケースで言うと、ノーベル賞の報奨金などもそうです。

 

理屈ではなく「感じ」として税金の対象にするのは違和感を感じますよね。

お祝儀30,000円を用意して、「あ、消費税10%になったから、33,000円包まなくちゃ」とはなりませんよね。

 

そんな感じで、課税することが馴染まないものたちを「非課税」などと言います。

 

そして、課税取引や収入・支出などをその性格・性質などによって、10種の所得に区分します。

 

例えば、退職金

勤続年数が長ければ、税金は低くなります。

例えば、勤続20年の場合800万円までは「非課税」です。

 

給与だと、ざっくり100万円位の所得税・住民税がかかります。

ただ、長年の功労に基づくものという捉え方で優遇がされています。

 

はい。

ここまでが超ざっくりの税の基本。

ここからが本番です。

 

年末調整の例題で考えます。

 

Q1.育児休職中の妻

 ①夫とは違う会社で4月まで勤務 給与80万円

 ②出産手当金 50万円

 ③育児休業給付金 40万円

 この場合は扶養家族となるか?

A.扶養家族になれる

 ①80万-65万(基礎控除)=給与所得15万

 ②③は「非課税」

 よって、『合計所得15万円』→扶養できる。

 

Q2.年金受給中の母

 年金を400万円受給している同居の母。

 この場合、扶養家族となるか?

A.年金の種類により、扶養可能。

 「老齢」 … 扶養できない。

 「障害」「遺族」 … 「非課税所得」のため扶養できる。

 

Q3.年金とアルバイト収入がある父

 ①老齢基礎・厚生年金 150万円

 ②アルバイト給与 70万円

 この場合、扶養家族となるか?

A.扶養家族となる

 ①老齢基礎・厚生年金 …150万円-120万円=30万円(雑所得)

 アルバイト給与 70万円-65万円=5万円(給与所得)

 『合計所得35万円』→扶養できる

 

特に、Q2とQ3の様ないわゆる「老親」は超絶怒涛の慎重さを要します。

私が経験した例で言うと…

・家族に内緒の収入(山林所得や不動産所得等)があった。

・自分が「何の年金」を受給しているか把握していない。

・別居しているけど、仕送りをしていない。

などで、後日「追徴」となったケースもあります。

 

mattumamaさんがお話ししている様に、大学生の息子さんやパートをしている奥様の収入を完璧に把握するのはなかなか難しい。

なぜなら年末調整の段階では「見込み」で書くから。

 

では、どうすれ良いのか?

私がおススメしているのは、源泉徴収票をゲットしたのち、確定申告をする。

というものです。

 老親であれば、「課税証明書」の取得後(例年7月以降)というのも選択肢として提案しています。

 

確かに、手間ではあるんですが確率は上がります。

また、確定申告は還付請求であれば通年受け付けていますので、焦る必要はありません。

落ちついて、現況を確認し、一手一手確実に進める。

これがベターである様に考えております。

 

【まとめ】

>mattumamaさん

あおり運転みたいになってごめんなさい( ;∀;)

今回、ご紹介のQ.1育休中の妻なんかは結構盲点で、未申請の方が多いと思います。

「損しない」ためにも老婆心ながら紹介させて頂きました。