【本日のお話し】
年末調整の際に、来年分の「扶養控除申告書」の提出を求める会社も多いと思います。
私が勤めているところでも、今年分・来年分をまとめて提出してもらうよう依頼しています。
では、提出しなかったらどうなるのか?
そのお話しをします。
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~私が作成した年末調整の未提出リスト見たスタッフ
「あ、やばい。年末調整の書類出してない」
「え?別に良いんじゃない、出さなくても(笑)?保険も入ってないし。独身だし~。」
こんな会話を私の後ろで繰り広げるスタッフ。
では、提出しなかったらどうなるか?
オトナとして教育的指導ですよ。
まぁ、今年分(2019年)の提出は無くても大丈夫です。
入社時に提出してもらってるし、それから変わっていないという解釈で進めます。
問題は、来年度分(2020年)。
もし、未提出の場合…結論から言うと「給与の手取り額」が減ります。
なぜか( ゚Д゚)?
ざっくり言うと、扶養控除申告書を提出すると「甲欄」となります。
未提出の場合は「乙欄」となります。
そして給与計算時に「税額表」を用いて計算します。
控除される所得税の目安は以下の通り。
一番左が課税対象。扶養家族なしの概算。
甲 | 乙 | 差額 | |
100,000 | 720 | 3,600 | 2,880 |
150,000 | 2,980 | 8,700 | 5,720 |
200,000 | 4,770 | 20,900 | 16,130 |
250,000 | 6,530 | 36,400 | 29,870 |
300,000 | 8,420 | 52,900 | 44,480 |
この通り、給与が20万円超の場合、一割が所得税として控除されます。
未提出者に対して、年明け1月の給与をこの対応(乙欄変更)をすると100%驚き、慌てて、駆け込んできます(笑)
いや、本人にしてみたら笑い事ではないのは分かるんですがコンプライアンス遵守の観点からは厳格に対応しないとお互いマズイことになりますからね。
ちなみに、差額に関しては年末調整あるいは確定申告で還付を受けることが可能です。
実例として私の経験談を一つご紹介。
当時勤めていた会社のアルバイトさん。
月の給与の平均は20-25万円。
やんちゃな子で、扶養控除申告書は提出してませんでした。
そして、11月年末調整の時期。
「毎月2万円位税金が過払い。理屈的には20-30万円税金が戻ってくるよ」
「え~、何すか?それ詐欺?サギ~?みたいな(笑)」
「いやいや、良いから出して。独身だし記入1分で20万だよ?美味しくない?」
「めんどくさいっすよ。良く分からないし。代筆?して下さいよ。」
「代筆はダメ。騙されたと思ってさ、とにかく出して。」
「分かりましたよ。じゃ、もし20万?戻ってきたら、20%キックバックしますよ(笑)!」
圧縮しましたが2週間かけて説得?し扶養控除申告書を提出。
年末調整の結果…30万円超の還付を受けました。
本人、めちゃくちゃ驚いてました。
マネーロンダリング的なことも疑ってましたが、正規な処理なので「問題ないよ」となだめました。
(約束した?キックバックについては無視されました( ;∀;))
【まとめ】
年末調整の申告書の提出期限は守りましょう。
痛い目を見るのは自分です…。