大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

総務・労務目線のみずほ銀行・副業の推進

みずほ“週休3・4日制”導入に賛否の声。「働き方が変わる」「人件費の削減狙い?」(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース

 

先日からみずほ銀行に関する週休3日・4日制度の導入がわいわい賑わっています。

 

一般的な目線から見ると、給与が下がるとか夫婦関係に変化があるのでは?

などなど色々な捉え方がされていますが、総務・労務目線からみるとどうなるのか?

 

今日はこのお話をしたいと思います。

 

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週休3日・4日制度の導入

副業の導入

いわゆる働き方改革の波に乗っかった感じがあります。

 

で、総務・労務目線から見ての一言でいうと、地獄です(笑)

特に副業、二か所以上で勤務するというのは本当にしんどいと思います。

 

私もあまり詳しくないので間違えたこと書きそうで怖いのですが、思い当たる地獄ポイントところをつらつら書いてみます。

 

地獄①労働時間・残業代の計算

まず労働時間の管理です。

メインの会社だけでなく、サブの会社の時間も考慮し超過勤務等に配慮する必要がでるかな?と。

まぁ、そこは当然どこも思いつくところなんですが、問題は残業代です。

超厳密に言うと、1日の労働時間は通算する必要があります。

イメージは下の感じ。

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「今日、前の会社で〇時間働きました」報告をして、後の会社はそれを足して給与計算をする感じです。

 

…さ、次行ってみよう。

 

地獄②社会保険(健康保険・厚生年金)が地獄

上記の㈱桃太郎・㈱シンデレラで副業開始した際に、両方とも社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することなった場合、取り扱いはどうなるのか?

まず、保険料については合算してそれぞれの会社で案分します。

こちらもイメージは下記の通り。

f:id:hiro-fukudome:20201008161815p:plain

 

これは加入時のみならず、年一回の見直し、昇給や退職時など常に複数個所勤務を意識しなくてはいけないことを意味しています。


地獄③雇用保険が地獄

現行法では雇用保険は一か所・主たる事業所のみの加入となっています。

例えば、㈱桃太郎で週3・24時間勤務、㈱シンデレラで週3・24時間勤務となった場合、どちらか一方しか加入できません。

それに伴い何が起こるか…?

最も大きいのは受給できる各手当が低額になることです。

失業手当、育休手当、介護手当、高年齢継続の手当などなど…。

 

さ、次いってみよう。

 

地獄④税務関係が地獄

通常、一か所だけの勤務の場合、給与所得にかかわる税の申告は年末調整で完結します。

ただ、2か所以上勤務等をしている場合は片方・一か所でしか年末調整ができません。

つまり複数個所で勤務するということは自分で確定申告をすることが必須ということになるのです。

 

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と、まぁ…他にもいくつかあるのですがやめておきます('ω')ノ

少なくとも各現行法は終身雇用等を前提としており、複数個所勤務は想定外・例外的な扱いだと思います。

 

では、どうすれば良いのか?

これは色々な考え方があると思うのですが、一つとしては

会社が管理・計算するのではなく、労働者自身が会社に申請・請求、各届出する

という今とは真逆の発想がないと、会社、ひいては総務・労務担当者の負担・責任は半端ねぇんじゃねぇかな~…と考えてしまいます。