大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

中ボス、それは定時決定(算定基礎届)

こんばんわ♪大福です。

 

さてさて、なんだか最近地味にお疲れモードです。

繁忙期、というわけではなく「繁忙期÷5」くらい?っぽく地味~にず~っと数か月小忙しい感じです。

7月のどっかで…3連休位とって…三崎マグロでも食べに行くか?マジで('ω')ノ

 

ではでは、今月も元気よくいってみたいと思います!

 

 

貴社都合により退職

「大福さん、〇〇さんの退職届です。手続きお願いします」

上司から渡されて始まる退職の手続き。

真っ先に確認するのは退職日。次は退職理由です。

 

毎回思うのが退職理由のバリエーション・ボキャブラリーの無さ(笑)

私の経験値で言うと、10年で500件超の対応をしてきましたが95%は「一身上の都合により」です。

残り5%ですが、多いのはつらつらと理由を書いてるパターンです。

・成長を実感できないので転職したい

・仕事がつらい

・結婚を考えて今の収入ではやってけない

など。

極まれに「〇〇部長に辞めろと言われた」など、アグレッシブなものもあります。

 

今回お話ししたいことは、『貴社都合により退職』として失業手当を早く(多く)もらえるよ?です。

 

では、解説です。

雇用保険では色々な手当・給付金がありますのが、最も有名なのは『失業手当』ではないでしょうか?

「無職になったら、ハローワークからお金貰えるらしいよ?」

はなんとなくご存じかもしれませんが、退職理由により手当のあれこれが変わります。

 

自己都合であれば、失業手当の受け取りまでざっくり4カ月程度・日数は最大150日分です。

これが会社都合であれば受け取りまで1カ月半程度・日数は最大で330日です。

 

そうなると俄然「会社都合」にならないか?と考えるかもしれませんが、それがまさしく『貴社都合により退職』につながります。

 

より具体的には

長時間労働が続いて、会社都合になるケース

離職の直前6か月間のうち…

・いずれか連続する3か月で、45時間
・いずれか1か月で、100時間
・いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して、

 1か月で80時間を超える時間
の時間外労働が行われたため離職した者

これは労働基準法第36条に規定されている残業時間の上限とリンクしています。
つまり会社が法律違反を犯しているため、会社都合退職になるという理屈です。

 

会社的には補助金の受給に影響が出たりするなどのマイナス要素が大きく

「ふざけるな!一身上の都合で離職票は書く!」

と、言われる可能性は十分にあります。

 

でも、それでも諦めないでください。

 

なぜなら、労働時間は客観的に証明しやすいからです。

タイムカード、無ければメモでの証明でも可能性は十分にあります。

 

これ以外にも客観的に証明しやすいものとしては…

・給与の1/3を超える額が支給日までに支払われなかった
・賃金の額が85%未満に低下し、あるいは低下することになった

なども「会社都合」になる可能性があります。

 

他、「会社都合」になりうる例は以下のとおりです。

・労働契約締結時に明示された労働条件と実態に著しい相違があった
・妊娠中や育児中、介護中に違法に働かされた、制限を受けた
・職場内における嫌がらせを受けた
・セクハラを受けたが会社が放置した

 

こうやって見ると、意外と労働者に優しいんだな?

と思いませんか?

 

例えば新卒で今年の4月に入社した新卒さんで

長時間労働が続いている…

・募集の時と給与が違う…

など、しんどい思いをされている方は無理はせずに早々にリタイアして失業手当を受給するという選択肢もあるんだよということをぜひ知ってほしいと思います。

 

ただし、一つだけ大切なことが。

失業手当を受給するためには、雇用保険に最低6カ月加入している必要があります。(自己都合の場合は12カ月)

なので、新卒さんであれば…9月末までの加入が必須になります。

 

6月支払いの給与計算はしんどいのです

「大福さん…給与の支給額が少ないかも?です。」

(マジか…かなり慎重に進めてたんだけどな…)

確認したところ、2万円ほど少なく支給されていました。

 

お詫びプラスお菓子を握らせて(笑)、

「再計算して、今日中に差額を振り込みますね?」

とお伝えしたところ、え?って顔してました。

「いや、来月で良いですよ?面倒でしょう?」

 

(まぁ、本音はそうなんだけどね…)

(通常月であればそれでも問題は無いんだけど6月支給分だからね…)

「いや、色々と影響があるんです大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます。」

 

では、6月支給の給与を手間をかけてでも正しく処理したかったのか?

解説です。

6月支給の給与計算で最も影響が大きいのは、「社会保険料」です。

次に書きますが、4月~6月に支払われた給与で10月から1年間控除される社会保険料が変わります。

社会保険料、だけではなくそれに連なるあれこれ…

傷病手当金

・出産手当金

・老齢/障害/遺族年金

などの給付額にも影響がでます。

つまり、少なく計算した場合凄~~~く遠い未来の老齢年金も少なく支給されちゃう可能性があるのです。

近い未来でも、傷病手当金などにも影響を及ぼす可能性があります。

 

次の影響が賞与の所得税です。

私が勤務しているところの賞与は7月支給予定です。

 

実は賞与の所得税のもとは、前月の給与です。

はい( ゚Д゚)?

まぁ、わけわからん制度なんですがそういう仕組みなんです。

ので、6月給与を間違えると7月支払い賞与の所得税もずれる可能性があるのです。

そうなると、それに連なる年税額や住民税額にも影響が出てきます。

 

というわけで、給与計算はいつも清く正しくまっすぐ対応しているのですが、6月給与についてはいつも以上に神経を使います。

そして…しんどいのです。

 

中ボス、それは定時決定(算定基礎届)

(よっしゃ、ここまで来たぜ。長い3カ月のフィナーレだ…。)

とチェック用の資料をプリントアウトしていたのが、一昨日のことです。

給与・社会保険担当者のしんどい業務トップ5に間違いなく入る「算定基礎届」です!

私は年末調整をラスボス。算定基礎届を中ボスと位置付けています。

定時決定(算定基礎届)日本年金機構

 

恐ろしく細かいことがあれこれ書かれていることからも、かなりめんどくさいです。

ギュッと一言でまとめると

「4月~6月の支払われた給与をもとに、9月分から1年間の保険料を決める」

というものです。

 

こいつ単体なら割とスッと進められるのですが、中ボスの横にいるやつが厄介です。

そいつは「随時改定(月額変更届)」です。

随時改定(月額変更届)

 

こちらもギュッと一言でまとめると

「固定給の変動があったら、様子見て社会保険料がアップダウンする」

というものです。

 

私が勤務しているところは4月昇給などをしています。

そのため、随時改定の対象者がちらほらいます。

随時改定の場合、もとの給与から4万円程度アップしたら社会保険料が変わります。

先ほどの算定は9月分からなの変更ですが、随時の場合はそれよりも早く変更するルールになっています。

 

まぁ、、、という感じでしんどいのですがその一番しんどい理由は〆切です。

これは固定されていて毎年7月10日です。

業務量・難易度に比較して、かなり短いんですよね…。

私はもう終わってますが、同じく7月10日締め切りの労働保険料の申告も同時並行となるとマジで地獄です(笑)

 

私も算定・随時以外の細かい仕事を倒しきったら、3日程度で対応し月内に提出の予定です。

それが終わったら…ちょっと有給頂こうかな?と密かに計画中です♪