大福 blog

病院勤務の総務・労務担当者の日常です。社会保険・時事をメインにお話を。2022社労士試験合格(未登録)

大海を知る蛙、井の中で憂う

 

 

Go to SR #10 リスケ(選択と集中

社労士試験の受付が開始されます。

試験:8月27日(日)

合格発表:10月4日(水)

週明けから申し込みが始まり、試験まで約130日あまり。

 

緊張感も高まり…いよいよという感じですね。

 

合格年の私はどうだったかな?とメモなんかを見ると一つ大きな目標を決め、やることを整理していました。

リスケジュールと、残された時間を何に使い、集中するか?

を決めています。

基本は過去問をひたすら解き、模試を受け&軌道修正、また模試を解き、苦手なところはテキストに返る。

テキスト・問題集は増やさない。

残り120日・4か月余りはシンプルにこれだけでした。

 

そして、もう少し突っ込んだ深めの決断をしています。

それは「得点目標の設定」です。

 

当時の私は非常にざっくりですが、次のようなランク分けをしています。

A 択一式:49点以上 選択式:白書対策講座など一通り受講

B 択一式:45点以上 選択式:No対策

C 択一式:40点以上 選択式:No対策

D 択一式:42点以上(全科目6点以上) 選択式:No対策

E 健康保険・厚生年金保険・国民年金・一般常識のみで30点以上

 

まず、私には『A』は無理だと結論付けました(笑)

謙遜でも、諦めたわけではなく実力として現実的では無かったです。

やはり50点台となると、細かくきっちり正確な知識が要求されます。

小さな論点を一つ一つ詰めるよりは、確実に『B』を目指そうと思いました。

 

『A』…3%程度 『B』…80%

成功率・達成率の感覚としては、これくらいの開きがありました。

なので、択一式を45点以上確実に取るためにその範囲をガッチガッチに固めるようと大きな方針を決めました。

 

ただ、リスクも負います。

まず、そもそも45点獲得できても合格ラインによっては不合格になります。

また、ここも大きいのですがほとんど選択式を捨てているのです。

これも感覚的なものなのですが、選択式は「守り」択一式は「攻め」の性質です。

よって、ノーガードの打ち合い下手したら一発KOの恐れもありますがそれはそれで良いやと割り切りました。

それくらいしないと、45点は無理だな…と結論に至っています。

 

そして、試験に応募しようか?あるいは応募したけど合格は無理っぽい。

今年は記念受験にしようかな?

と思われている方がいらっしゃいましたら、最低でも『E』を目指してほしいなと思います。

つまり、残りの期間は年金科目のみに費やすのです。

労働科目は一切捨て、なりふり構わず年金のみです(笑)

もし、この範囲でも厳しければ自分のできる範囲でも十分です。

国民年金・厚生年金のみでも良いです。

何故そのような提案をするかというと、翌年度の布石です。

やはり年金科目は難解ですが、合格するためには健康保険・厚生年金・国民年金で最低でも各7点が必要です。

しかし、現実として7点以上とれている受験生は、実は全体の5%もいません。

年金科目で得点できることは、合格にぐっと近づくことを意味しているのです。

 

仮に『E』をクリアできるのであれば、それは大きな自信・財産になります。

 

大海を知る蛙、井の中で憂う

まずくないかなぁ~…。

最近、憂いています('ω')ノ

 

私は「ざっくり・本能型」です。

少なくとも「緻密・理性型」ではありません。

 

社労士受験生の時もそうなんですが、スケジュールを立てるのも苦手だし、数値もあまり気にしてませんでした。

仕事においても、タスク管理はノートにざっくり書いて消す。それだけです。

 

反面、空気を読んだり距離感の精度は高めだと思っています。

社労士試験合格も含め、それなりに実績もあるけど「感じは大切にするけど絶対ではない、決して過信はしない」と自制もしています。

 

そんな私が何を憂いているのか?

それは経営陣と現場スタッフの温度差です。

 

たぶん、このまま対応・調整などをしなければ憂慮すべき事態になるんじゃないか?と感じることが多いです。

 

立場が違えば視点も違うし抱える情報の量も、何より優先度も違います。

決して現場スタッフに迎合するすることが良いわけではなく、

(仮に結論がNoでも)

①まずは話を聞いて、共感して

②説明して

③理解・肚落ちしてもらう

というのが私は何よりも大切だと考えて行動するようにしています。

 

ただ、度合いとしては②が非常に強い。

①は薄く、③は無いのでやはり不満げな感じで終わることが多いです。

 

この背景にあるのはなんだろね?

と妻にそれとなく聞いての結論としては

 

①医療業界という狭い世界

②過去の成功体験、時代とのギャップ

③人ではなく資格

 

という感じなんかな?と思うようになっています。

 

まず①です。

これは入社してから感じることは本当に多いです。

労働基準法的にはそうだけど、医療業界では違うよ」

という感じです。

やはり医療行為という特殊な性質・環境であることは重々承知していますが、それが前面に出すぎて働く人が摩耗しているような印象を受けます。

 

次に②です。

これは①に続くのですが、摩耗・疲弊したスタッフは耐え切れず退職します。

経営陣は「退職をしたら人は補充すればいい、応募はたくさんある」

という感覚にあるように感じます。

某大学病院が全体の4割強、数百名退職するとなった時のコメント

「不満があるなら辞めればいい。補充はすぐにできる。支障はない」

というようなことを表明をしたことがあります。

これまではその感覚でも十分だったからこそのコメントだと思います。

 

ただ、コロナ禍・働き方改革などを経て採用環境は激変しているように思います。

とにかく募集しても人が来ない、来ても退職のペースに追いつかない。

という風に変容している様に感じます。

 

最後③です。

これは②とも繋がるのですが、一言で言えば「民間の感覚」が少ないです。

例えば民間企業ではスタッフがいかに定着するか?腐心します。

給与や福利厚生などを改善しようとかです。

ただ、医療業界にはそれが希薄な気がします。

就職してから何でだろうな…と考えてたのですが一つの結論としては「人ではなく資格持ちであれば誰でも良い」という見方をしてるからでは?と思うようになっています。

〇〇さんに是非働いていただきたい

ではなく

看護師なら、まぁ、変な人じゃなければOK

みたいな感じです。

もちろん、こんな人が良いなとかはあるにはありますが、優先度としては低いように感じます。

 

狭い業界にいますが、それでも社労士試験合格者として大海を知っているつもりでいます。

少なくとも「井の中の蛙大海を知らず」ではないと自負しているからこその憂慮。

けど、まぁ…下っ端のスタッフなので現場のスタッフのガス抜きをしつつ静かに自壊していくのか静観を決めこもうと思います(笑)

 

医療現場の障がい者雇用

新年度の忙しい隙間を縫いつつ「障がい者雇用納付金」の対応をしています。

企業には従業員の〇%雇いなさいよ、という義務があります。

一般企業であれば2.3%で、約43人以上スタッフがいれば一人以上障がい者を雇用する義務が発生します。

その義務を達成してない企業には罰金が課せられます。

金額は一人あたり年間60万円です。

 

で、病院にも当然ながら雇用の義務が生じるのですが、現実問題として非常に難しいです。

 

ハローワークなどからも指導っぽい感じで指摘を受けているのですが、事情を説明すると強くは出れないようです。

 

一番の懸念は医療事故です。

例えば、看護所補助として従事し、患者さんにケガを負わせる可能性があります。

また、認知症の患者さんなどに暴言・暴力を振るわれスタッフ自信がダメージを追う可能性もあります。

次に人員です。

では、医療事故を防止するため看護師などをマンツーマンでつかせるか?というとこれも現実的はありません。

ただでさえ、かつかつの体制のため余力はありません。

ではバックオフィス系はどうか?というとこれも難しい。

150人程度であれば、こちらもかつかつの体制で振り分けられる仕事が少ない、あるいはフォローに回れる余力もありません。

 

できない理由を探すより、どうすれば受け入れられるか?建設的に検討するのが本筋なんでしょうけど、それに対するメリット・モチベーションが余りにも少ない。

診療報酬で障がい者雇用に対する大幅な加算などの動機付けがあれば、経営陣も前向きに検討するんでしょうけど、それも無いとなるとなおさらです。

 

と、いう感じのことを行政にはお伝えしてお帰り頂いております(笑)